この星に宿る命よ かの星にも いつくしまんかな 心あるもの
滴塵032
本文
この星に宿る命よ かの星にも いつくしまんかな 心あるもの
形式 #短歌
カテゴリ #10.精神・悟り・心象
ラベル #宇宙 #精神 #慈悲 #悟り #衆生
キーワード #命 #星 #心あるもの #慈しみ #宇宙
要点
地球の命を愛する心は、他の星の生命にも広がる。
現代語訳
この星に宿る命よ、あの星にもきっと心を持つもの(衆生)がいるだろう。慈しみたい。
注釈
この星:地球。
かの星:地球外の存在や宇宙的視野。
いつくしまん:慈しみたい、愛したい。大切に慈しみましょう。
心あるもの:生きとし生けるもの(衆生)、あるいは仏性を持つ存在。
解説
宇宙規模での慈悲と生命観を示す短歌。人間中心ではなく、宇宙的視野での命の尊さと心あるもの(衆生)への思いを表現している。
深掘り_嵯峨
滴塵の歌群の中では珍しい、宇宙的、普遍的な慈悲を詠んだ歌です。
仏教の慈悲の精神を、地球上だけでなく、まだ見ぬ宇宙(かの星)に存在するであろう「心あるもの」にまで広げようとする、広大なスケールを持っています。
これは、現代的な視点と、慈悲が空間的な限界を持たないという仏教の教えが融合した、未来志向の仏教観を示唆しています。すべての生命に対する「いつくしみ」を説く、非常に温かい一首です。